日本経済は、内閣府が11月に発表した月例経済報告では「景気は、輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」とし、各種政策の効果もあって緩やかな回復が続くことが期待されるが、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある、としている。

　政府は令和元年6月に「経済財政運営と改革の基本方針2019」を閣議決定し、その中で～「令和」新時代：「Society5.0」への挑戦～とテーマを掲げている。「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針の下で経済再生と財政健全化に一体的に取り組むほか、新たな新時代への挑戦として、人づくり革命、働き方改革、所得向上策の推進、地方創生の推進、グローバル経済社会との連携など、Society5.0時代にふさわしい仕組みづくりを目指すとしている。令和2年度に向けては、概算要求の時点では一般財源の総額について令和元年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとしており、地方交付税においても地方の財源不足に対応するため交付税率の引き上げを事項要求しているが、近年減少傾向にあることから決定までは先の読めない状況にある。

　道財政においても「行財政運営方針」を策定し、財政健全化に向けて歳入・歳出全般にわたる徹底した行財政改革に取り組んできた結果、収支不足は着実に改善してきているものの、依然として収支不足が生じる見通しとされており、これらの財源不足は市町村への影響も懸念されることから、情報の収集と連携がより一層必要となっている。

　本町の令和元年度の財政状況は、自主財源の根幹となる町税については決算見込みにおいて概ね前年並みを見込んでいるが、交付税は臨時財政対策債を含めた実質的な総額で前年よりも増加したものの、依然として財源の確保は難しい状況にある。
　令和2年度においても、歳入では、総務省の概算要求において地方交付税4．0％の増とされているが、国の財政状況から見ても交付金事業等は引き続き厳しい状況が予想され、財源の確保は益々厳しくなるものと予想される。
　歳出では、特に公共施設等の老朽化に伴う更新や維持補修にかかる経費の増大などにより、歳入同様に厳しい財政運営になることが予想される。

　第5次美深町総合計画もいよいよ最終年となり、新たな第6次美深町総合計画の策定に向かって議論が進められていくが、予算編成に当たってはこれまで同様に予算編成基本方針に基づきながら、令和元年度美深町行政評価報告書、決算審査、議会・住民からの提言を踏まえて職員共通の認識に立ち、重点的かつ効率的な予算となるよう各部署において十分に議論を尽くして当たられたい。