日本経済は、内閣府が11月に発表した月例経済報告では「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」としているが、感染者は都市部だけではなく各地方でも広く発生しており、依然として多くの分野において活動の制限が続いている。感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動のレベルを引き上げていくことが求められるが、当面の間は終わりの見えない状況が続くことが予想される。

　政府は令和2年7月に「経済財政運営と改革の基本方針2020」を閣議決定し、その中で～危機の克服、そして新しい未来へ～をテーマに掲げている。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた日本国経済を「極めて厳しい状況」とし、国民の生命・生活・雇用・事業を守り抜くため、基本となる医療提供体制等の強化をしつつ、デジタル化やオンライン化の更なる推進、都市過密・一極集中のリスク回避などのほか、多くの課題に立ち向かっていくこととしている。

　令和3年度に向けては、概算要求の時点では一般財源の総額について令和2年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとしている。特に地方交付税については、極めて厳しい地方財政の現状を踏まえ、総額を適切に確保するとしているが、新型コロナウイルス感染症への緊急的な対応などを含め、先の読めない状況にある。

　北海道においても、いち早く小中学校の休校要請や、独自の緊急事態宣言など新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じてきたが、国と同様に先の見えない状況が続いている。依然として厳しい財政状況の中、財源不足は市町村への影響も懸念されることから、今以上に情報の収集と連携が必要となっている。

　本町の令和2年度の財政状況は、自主財源の根幹となる町税、一般財源の大半を占める地方交付税について、総額では概ね前年並みは確保できる見込みだが、特に地方交付税に依存している状況が続いており、財源の確保は難しい状況にある。
　令和3年度においては、総務省の概算要求において地方交付税2．4％の減とされているほか、国の財政状況から見ても交付金事業等は引き続き厳しい状況が予想され、財源の確保は益々厳しくなるものと予想される。

　第5次美深町総合計画を終え、新たな第6次美深町総合計画の策定に向かって議論が進められているところだが、予算編成に当たってはこれまで同様に予算編成基本方針に基づきながら、令和2年度美深町行政評価報告書、決算審査、議会・住民からの提言を踏まえて職員共通の認識に立ち、重点的かつ効率的な予算となるよう各部署において十分に議論を尽くして当たられたい。